たった1つの音に命をかけるコーラスワーク

皆さんお久しぶりです!記事を書かせていただくのは2度目となります。グレゴリーゴリレイのコーラスのあっつんです。(画像はいつものですが悪しからず。)

 

 

前回の記事では5小節のイントロにおいてどのような意識を持って歌っているかについて書かせていただきました。

縦を意識して歌うコーラスとは?

今回は、前回よりさらに短い、“1小節”についての記事になります。

 

 

題材となる曲は前回と同じ、我々グレゴリーゴリレイのデビュー作の“Beginner”です!
この曲を歌う時に、毎回、僕が10年間のアカペラ人生を詰め込んで歌っている「ある1つの音」があります。それは、

 

 

↑の動画の1:02〜1:05の部分です。

曲全体から見たこの部分の役割は、1番と2番の繋ぎです。サビで変わった調をこの部分で繋ぎ、次の小節で1メロの調に戻しています。
そして、コーラスのみでの動きはベルトーンとなっています。
今回スポットを当てるのは、このベルトーンのセカンドコーラス、ということですね。

 

では、いよいよ本題です。

 

セカンドコーラスが歌う前に、サードコーラスが歌い出します。実はすでにここで調の変更が始まっているのですが、この1音で「調が変わるのかな?」と感じる人はいても、いきなり「これは間違いなく調が変わった!」という人はまずいないでしょう。次に入ってくるセカンドコーラスによって和音が見え始めてくる、という人がほとんどだと思います。

つまり、今回セカンドが担う役割の一つが、「調が変わった!」と聴き手に印象付けることになります。サードコーラスの音をよく聴き、どのピッチで歌い出すかを判断し、大事なハーモニーを生み出せるように心構えをします。

 

この部分のスキャットは開放的な“oh”です。コーラスがバラバラのタイミングで歌い出すベルトーンでは、入りのインパクトはとても大事です。腹筋を意識しながら力強く音を出し、スキャット以上の開放感を出していきます。

 

そして、ベルトーンとは、同時にロングトーンであるともいえます。ただ伸ばしているだけではつまらないしインパクトに欠ける。曲調を変える大事な小節ならなおのことです。次の小節に繋がるよう、クレッシェンドをかけています。

 

ここで注目すべきは、各コーラスのロングトーンの長さです。

サードコーラスは最も長く伸ばしているため、クレッシェンドは必然的に緩やかになります。

一方、トップコーラスは歌い出してからすぐに音が変わるため、クレッシェンドにまで気を配るのはかなり困難であり無理が生じます。

その点セカンドコーラスは急速なクレッシェンドをかけるのにちょうどいい長さとなっています。つまり、セカンドのクレッシェンドの度合いがこの部分のクレッシェンドの度合いと直接繋がっていくため、大袈裟に思うほどのクレッシェンドをかけます。

 

ただし、歌い出しで力強く入っているため、急速にクレッシェンドをかけてしまうとセカンドが浮いてしまうレベルにまで大きくなってしまいます。そこで、入りで力強く入った後、素早く音量を落とし、その上で急速なクレッシェンドをかけています。

 

 

 

 

秒数にしたらたった2秒、譜面上ではたった1つの2分音符ですが、実はこんなにも考えて歌っているんです。

9/29、四谷天窓にて、「おとのわ、こえのわ。」さん企画の、ヤロバンのみが集まる熱い(暑い)ライブに我々グレゴリーゴリレイも出させていただきます!この1音のために聴きに来ていただけると、僕の10年間が報われますので、ぜひお越しください!!お待ちしております!

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