初めまして!グレゴリーゴリレイのコーラスのあっつんです!
グレゴリーゴリレイの編曲隊長であるあいらさんが、Beginnerのイントロの編曲について記事を上げられました。
では、実際に歌う人は、この編曲においてどのようなことに気を付けて歌っているのでしょうか。今回は、このBeginnerのイントロをセカンドコーラスという視点から噛み砕いていきたいと思います!
イントロは下の動画でいう0:00~0:17に当たります。
そしてイントロの譜面はこのようになっています。
今回は和音の移り変わりが分かりやすいように1小節を2分割し、8つのセクションで解説していきます!
セカンドコーラスの音の推移は、
①ミ⇒②ミ⇒③ファ#⇒④ファ#⇒⑤ソ⇒⑥ソ⇒⑦ラ⇒⑧ラ(1小節目のユニゾンは①に含めて解説します。)
となっています。音の推移、つまりセカンドだけの動きだけでいうと、かなり単純な動きであると言えると思います。1小節ごとに音を上げていけばいいわけです。
しかし、他のパートを意識して歌うと、どうでしょうか。
ではいよいよ、僕が各セクションでどのように注意して歌っているのかを見ていきましょう!
※表記…トップコーラス(以下トップ)⇒1、セカンドコーラス(以下セカンド)⇒2、サードコーラス(以下サード)⇒3
①1…ミ、2…ミ、3…ミ
このセクションはユニゾンとなります。そして聴き手の耳に入る一番最初のフレーズとなります。全神経を集中させて、他コーラスと音や歌い出しのタイミング、歌い方を合わせます。
②1…ファ#、2…ミ、3…ミ
トップが一音上がりましたがセカンドとサードは変わりません。つまりこのセクションで一番重要な役割はトップです。セカンドは何事もなかったかのように伸ばします。
③1…ソ、2…ファ#、3…ミ
トップがさらに一音上がりました。聴き手からしたら「一番上のコーラスが一段ずつ上がってきているぞ。この後も上がるのかな」と思い始める人が出てくる頃でしょうか。セカンドも一音上がりますが、このセクションで一番大事なのはトップが一音ずつ着実に上がっていることを印象付けることです。和音で見てもセカンドはトップにもサードにも音がぶつかっています。つまり、セカンドがここで目立つことは禁物です。同じ音を歌っているような素振りでさりげなく音を上げます。
④1…ラ、2…ファ#、3…ミ
トップは上昇を続けます。聴き手の中には予想が的中する人が出てくる頃でしょうか。セカンドは音は変わりません。しかし、和音としての役割は変わります。そして、我々は機械ではないため、演奏するごとに若干の歌い方の変化が現れます。そのため、トップの音の上がり方もピッチ単位でみると違うものにどうしてもなってしまいます。③までのトップの音の上がり幅によく耳を傾け、この④ではどんなピッチで上がってくるのかを予測し、セカンドは明るめに歌うか、暗めに歌うかを選択し、全体のピッチの調整をしていきます。
⑤1…シ、2…ソ、3…ミ
ここで一度和音が整います。Eの和音ですね。セカンドは第3音を担当します。このセクションではセカンドのピッチがとても大事になってきます。このソが暗くなってしまうと、和音の響きが変わってしまいます。(マイナーコードに近い、暗い響きになってしまいます。)初めて訪れる綺麗に響く和音のため、ピッチのずれが起こらないよう慎重に音を上げていきます。
⑥1…シ、2…ソ、3…ファ#
トップは音を変えず、今度はサードが一音上がりました。つまり、このセクションにおいて一番役割が薄いのがセカンドになります。何食わぬ顔で音を伸ばします。しかし、⑤と同じ強さで歌ってしまうと上昇してきたサードを食ってしまいます。そのため、⑤に比べてやや弱める意識をもって歌います。さらに、⑦ではセカンドがキーになります。やや弱めるのはその布石を作る意味も込められています。
⑦1…シ、2…ラ、3…ソ
サードコーラスがさらに音を上げてきました。①~④のトップコーラスを彷彿とさせますね。(このことについては↓の記事にてあいらさんによる解説がされていますので、合わせてご確認ください!)
ここのセカンドは、今までのセクションの中で最も重要な役割を持ちます。⑧で一気に世界が広がります。その開放を予感させる必要があり、その役割をセカンドが担います。⑧の前にこの⑦で怪しい和音となり、不安感を与えることで、⑧で開放することの安心に繋げるわけです。セカンドは音が上昇する上に、他のコーラスのどちらとも音がぶつかります。勇気をもって音をぶつけにいき、聴き手を不安にさせます。
※このセクションについては、あいらさんが詳しく記事を上げてくださっているので、合わせてご確認ください!編曲の意図とも合致していますね。
⑧1…レ、2…ラ、3…ファ#
一気に音の間隔が広がりました。スキャットも開放的になります。和音も綺麗になりますね。セカンドは、和音でいうと第5音を担当します。⑤の整う和音とはまた役割が違うわけです。トップ、サードとの音の間隔を見ると、ちょうど中間地点となります。この中間をしっかり維持し、他のコーラスを繋ぎ止める必要があるため、ここはしっかり響かせて歌います。
いかがでしたか?横の動きだけ見ると簡単な動きをしているようでも、縦の動きを見るとこんなにもたくさん注意することがあります。
セカンドコーラスはコーラス内でも目立たない存在とよく言われるかもしれませんが、縁の下の力持ち的な、大事な存在です。皆さんも、セカンドコーラスを担当する際には、重宝される縁の下の力持ちになりましょう!この記事でその助けができれば、幸いに思います!
流石あっつんさん…! めちゃめちゃ勉強になりました!
ありがとう!ぜひ参考にしていってください!