みなさま、こんにちは。あいらです。
あいらさんの写真シリーズは飽きたのでやめます。
突然ですが皆さん、トランプタワーをご存知ですよね。大統領のほうではなく、カードで作るほうです。
出典:https://en.wikipedia.org/wiki/House_of_cards#/media/File:Card_castle6.JPG
あれ、ぶっ壊したいという衝動にかられませんか??
今回はそんなぶっ壊しポイントを編曲で作ってみたお話です。
第4回 コツコツ積み上げられたものをブッ壊す快感
該当箇所: 0:14 – 0:17
演奏動画:
今までの回で、イントロには様々な思惑を詰め込んだという話をしてきました。
ユニゾン、音高、そして繰り返し…。
どの要素が欠けていても今回の雰囲気を作り出すことは出来ないでしょう。
そんな計算に計算をしたイントロに、私はあえて不純物を混ぜています。
それは…
ここの部分です。
たった1音のズレ、されど1音のズレ
ここは繰り返しの部分なので、通常であれば2,3小節目のメロディーである
「ミ→ファ♯→ソ→ラ」
が聞こえるはずです。
参照:繰り返しは手抜きじゃないんです – Beginner 編曲解説 (3)
↑の赤枠部分です。
しかし、2回目の繰り返しの時は
「ミ→ファ♯→ラ→…」
と、繰り返していないわけです。
※ちなみに、内声がメロディーとして機能する理由は音が動いているからです。
繰り返しという法則を見出したお客様は、この「ラ」によって、再び法則を見出せなくなり混乱に陥るわけです。
そしてその次の「ah」スキャットによってそれまでの世界観を完膚なきまでにぶち壊します。
…お客様の混乱を想像するだけでワクワクしてしまいますね。あー楽しい。
というわけで以上を踏まえてもう一度楽曲を聴いてみてください。
バンドメンバーのあっつんが今回解説した「ラ」の音を担当しているのですが、この音がきちんと目立つように歌ってくれているのがお分かりいただけるでしょうか。
音が1音違うだけ。たったそれだけのことなのですが、それによって大幅に雰囲気が変わってしまう。これってパズルみたいで面白いと思いませんか?
たった1ピース欠けているだけでも違和感を感じてしまう。そんな編曲者の遊び心ポイントを探してみると、また違った楽譜の見え方になるのかもしれません。
さて、終わる終わる詐欺をしてきたイントロ編ですが、次で最後です。たぶん。
次回は、この部分を編曲した時にインスパイアを受けた曲をご紹介します。多分アカペラをやってる皆様ならご存知の、あの曲です。お楽しみにー。