みなさま、こんにちは。あいらです。
そろそろ暑苦しい顔を見たくないと思うので、顔写真の掲載はやめますね。
代わりに、インスタにありがちなジャンプ写真を撮ろうとして失敗した時の無様な写真にしておきます。
さて、楽曲解説ではなくイントロ解説になりつつある本連載ですが、第3回目のイントロ回です。
第3回 繰り返しは手抜きじゃないんです
該当箇所: 0:00 – 0:17
演奏動画:
第1回では 均一な動作による違和感の醸成
第2回では 音高の配置による楽曲の高揚
について解説してきました(ちょっと難しく言ってみました)。
記念すべき第3回は第1回の違和感を補助するための仕掛けづくりです。
さて、再びイントロ部の楽譜です。
何か気づくことはないでしょうか。今度はメロディーの構成についてです。
…難しいですか?
よーく見てください。こことここ、同じ動きに見えませんか?
そうなんです、実はこの部分、同じメロディーラインを2回繰り返しているのです。
「あれれ?ネタ切れしたんじゃないの?」
そんなことはありません!これもわざとなのです。
繰り返しは人々の気分を高揚させる
人は同じ事を繰り返すと一種のトランス状態になる、と言われています。
文化祭とかで装飾する花をみんなで何個も何個も作っていると、だんだん変なテンションになってきたことありませんか?あれです。
クラブミュージックでよく使われる曲も繰り返しの曲が多いですよね。
実は宗教歌も同じ理屈が用いられている、という話があります。
とても響く構造の教会で、倍音がなる第5音のハモりを用い(詳細は恐らく後日に触れます)、同じ旋律を何度も何度も繰り返す。それにより、人々は催眠状態になり、神々の存在を感じるようになるというのです。
※上記の話をどの本で読んだのか失念してしまったので論拠を示せなくてすみません。楽典の本のいずれかだったと思います。
無限音階っぽさを演出
また、階段状の音が繰り返されていくのは無限音階を想起しませんか?
スーパーマリオ64でクッパを倒しに行く前の階段で流れていた、あのBGMです。
いつ終わりが来るかわからないものって怖いですよね。「これいつまで続くの…」と思うと息が詰まって来る人もいるのではないでしょうか。
詳しい原理は省きますが、これは1オクターブ下の音がずっと生成されるために、ずっと音が上昇して聞こえるのです。
今回はフレーズの短さの関係で、1オクターブではなく5音下から始めているので、厳密には無限音階ではありませんが、そのオマージュです。
違和感 = 畏れ × 高揚 × 不安
それぞれの目的と手法をまとめると、
- 畏れ -> ユニゾン
- 高揚 -> フレーズの繰り返し
- 不安 -> 階段状のフレーズ・無限音階のオマージュ
となります。
時間に直すと10秒にも満たない部分ですが、実は様々な想いが込められているわけです。そういう事を知ってから改めて聴くと、面白いでしょ?
今回でイントロ部分を終わりにすると言っていたのですが、お伝えしたいテーマ毎に記事を分けたほうがいいなと思った結果、あと2回ほどイントロ部分の記事が増えることになりました。
謹んでお詫びを申し上げますが、申し訳ないと思う気持ちは一切ございません。
それでは、また次回お会いしましょう。